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マテリアル工学専攻 増田 造さんが 第30回 先端技術大賞において学生部門 優秀賞(フジテレビジョン賞)を受賞されました

 

2016年6月10日、マテリアル工学専攻 増田 造さんが、第30回 先端技術大賞において学生部門 優秀賞(フジテレビジョン賞)を受賞されました。「先端技術大賞」は理工系学生および企業の若手研究者・技術者(第16回から)を対象に、これら若手研究者の独創性と創造性を育み研究への意欲を高めることを目的に設立された表彰制度です。

 

 

<受賞された研究・活動について>
 受賞論文名「精密重合法を利用した自励振動ポリマーブラシ表面の設計と機能制御~生体のような自律性を有する機能性表面の創製~」高分子などのソフトマテリアルから構成される表面・界面(ソフト界面)は、機能性材料として大きな注目を集めています。このソフト界面に生体のモータータンパク質のような自律的な運動機能を付与できれば、新しいナノマシンなどへの展開が可能であると考えました。当研究室では、N-isopropylacrylamie (NIPAAm)に生体の代謝回路の人工モデルとしても知られるBelousov-Zhabotinsky(BZ)反応の金属触媒であるRu(bpy)3を共重合させることにより、外液一定条件下で周期的な変化を起こす自励振動高分子を開発してきました。BZ反応基質溶液中ではRu(bpy)3の価数が周期的に変化するため、高分子鎖の水和・脱水和に伴う周期的なコンフォメーション変化が誘起されます。この自励振動高分子を基板上に修飾することで、電荷・親疎水性・膜厚などが自律的に変化する動的な機能性ソフト界面の調製が可能となります。本研究では、精密重合法のひとつである原子移動ラジカル重合法を利用して表面設計に関する系統的な検討を行うことで、生体のように自律的に機能を発現する機能性表面を設計することに成功しました。一連の成果は自律駆動可能なナノマシンやマイクロ流体システムへの応用が期待されます。

 

 

 

<今後の抱負・感想>
この度、第30回先端技術大賞フジテレビジョン賞を受賞させて頂き、たいへん光栄に思います。東京大学大学院 工学系研究科の吉田 亮 教授、秋元 文 講師、東京女子医科大学 先端生命医科学研究所の岡野光夫 教授、長瀬健一 講師ならびにご指導を賜りました皆様に深く感謝申し上げます。