プレスリリース

2015.03.31

量子テレポーテーション心臓部の光チップ化に成功 -量子計算機など実用化へ前進- : 物理工学専攻 古澤 明教授

量子力学の原理を応用することで、現代技術の限界を超える究極的な大容量通信(量子通信)や超高速コンピューター(量子コンピューター)が実現できると予測されています。その実現には、光子に乗せた量子ビットの信号を転送する量子テレポーテーションの技術を確立することが最重要課題の一つです。しかし、従来の量子テレポーテーション装置は、大きな光学定盤上に何百もの光学素子を配置して実現されており、拡張性において限界に達していました。

東京大学大学院工学系研究科の古澤明教授のグループは、量子テレポーテーション装置の心臓部である量子もつれ生成・検出部分の光チップ化に成功しました。この光チップでは、これまで約1平方メートルの光学定盤上に非常に多くの光学素子を配置して構成していた量子もつれ生成・検出部分を、26ミリ×4ミリ(0.0001平方メートル)のシリコン基板に微細加工したガラスの光回路により実現しました。これは実に1万分の1の大きさに縮小したことになります。この成果は超大容量光通信や超高速量子コンピューターの実用化へ向けて突破口となるもので、拡張性の問題を一挙に解決しました。

本研究はイギリス・ブリストル大学のオブライエン教授、サウサンプトン大学のポリティ講師との共同研究による成果で、文部科学省・先端融合領域イノベーション創出拠点の形成プログラムなどの支援のもとに行われました。

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図:実験セットアップ(上)、光チップ(左下)、2013年に行った量子テレポーテーション実験装置全体(右下)

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