プレスリリース

らせんに巻いた電子スピンによる巨大な光のアイソレーター効果の発見 ー新しい原理によるギガヘルツ・テラヘルツ帯電磁波制御素子の実証ー: 物理工学専攻 高橋陽太郎特任准教授

 

東京大学大学院工学系研究科の高橋陽太郎 特任准教授、木林駿介大学院生(当時)、十倉好紀 教授および理化学研究所創発物性科学研究センターの関真一郎 ユニットリーダーらの研究グループは、物質中に生じるらせん型に配列した電子スピンが、光の進行する向きに依存して光吸収を大きく変化させる機能性を有していることを発見しました。

研究グループは、らせん型に電子スピンが配列したとき、ギガヘルツからテラヘルツの周波数帯にエレクトロマグノンと呼ばれるスピンの集団運動が現れることを発見しました。さらに、らせん型のスピン配列が持つ「磁性」と「カイラリティ」という二つの性質によって、エレクトロマグノンが巨大な磁気カイラル効果を示すことを明らかにしました。磁気カイラル効果によって、光の進行方向に依存して吸収係数を最大400%変化させることに成功しました。

将来の大容量通信等さまざまな応用が期待されている高周波のギガヘルツ帯からテラヘルツ帯では、光(電磁波)の制御のための技術開発が行われています。この結果はアイソレーターや、物質の光吸収を外部の電場や磁場で操作可能な光(電磁波)制御素子としての展開が期待できます。

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