プレスリリース

2014.04.30

常温常圧の温和な条件でアンモニアが合成できる触媒の機能を解明ー次世代型窒素固定法の開発へ前進する研究成果ー:総合研究機構 西林仁昭准教授

窒素は、核酸、アミノ酸、タンパク質などに含まれる生命活の動維持に必須な元素であり、医薬品、化学繊維及び肥料などにも含まれる重要な元素の一つである。窒素の大部分は、鉄系触媒の存在下で窒素ガスと水素ガスからアンモニアを工業的に合成することに利用されている。しかし、この方法は高温高圧(400-600℃、200-400気圧)の条件下で行われるため、より温度も圧力も低い温和な条件下で窒素ガスからアンモニアを合成できる方法が望まれていた。
2010年に東京大学大学院工学系研究科附属総合研究機構の西林仁昭准教授らの研究グループは、2窒素架橋2核モリブデン錯体を触媒に用い、常温常圧の極めて温和な条件下で、アンモニアを合成する方法を開発していた。しかし、この新しい方法の反応機構は未解明であった。
今回、東京大学の研究グループと九州大学の研究グループは、以前に見出したアンモニアの合成方法の鍵を握る中間物質の開発と単離に成功し、その反応機構を解明した。このアンモニア合成方法では、窒素分子で連結された2個のモリブデン間で電子の受け渡しが起きていた。
今回の成果は、現在のアンモニア合成法であるハーバー・ボッシュ法に代わり得る次世代型の窒素固定法の開発を前進させる重要な研究成果であり、本研究成果を基にして将来的には環境に優しい新しいアンモニア合成法の開発とその大幅なコストダウンの達成が期待できる。
なお、本研究成果は、2014年4月28日の「Nature Communications(ネイチャー・コミュニケーションズ)(英国科学雑誌)」のオンライン速報版で公開された。


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