プレスリリース

2014.04.03

光に反応して目的の遺伝子をがんへ届ける -三層構造高分子ミセルをベースに光応答性ナノマシンの開発に成功- : マテリアル工学専攻 片岡一則教授

がん細胞などの標的細胞に特定の遺伝子を導入する手法は、現在の最先端医療の研究・開発において非常に重要な技術です。遺伝子導入には細胞に遺伝子を送達する仕組み(デリバリーシステム)が必要であり、これまでウイルスベクターや脂質または高分子から成る遺伝子導入試薬が広く利用され、その有用性が培養細胞や遺伝子の局所的な投与で明らかにされています。しかし、がん治療や再生医療をはじめとする遺伝子治療では、生体内の狙った部位に遺伝子を導入する技術が不可欠である一方、上記のウイルスベクターや遺伝子導入試薬ではそのような選択的遺伝子導入が困難であり、その安全性にも懸念がありました。

今回、東京大学大学院工学系研究科マテリアル工学専攻の片岡一則教授らの研究グループは、従来のデリバリーシステムを超越し、遺伝子導入の効率と選択性に優れた新規デリバリーシステムとして、三層構造の高分子ミセルをベースとした光応答性ナノマシンを構築しました。このナノマシンを皮下に腫瘍のあるマウスの全身に投与し、固形がんに光を照射することで、固形がんへの光選択的遺伝子導入に世界で初めて成功しました。

本研究で開発したナノマシンは、ウイルスベクター等の従来の遺伝子導入技術と比較して安全性と選択性に優れ、全身投与が可能であることから、がんや動脈硬化などのさまざまな難治性疾患の遺伝子治療への応用が期待されます。

 

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