プレスリリース

2015.03.17

次世代時間標準「光格子時計」の高精度化に成功 ~2台の時計が宇宙年齢138億年で1秒も狂わない再現性を実証~: 物理工学専攻 香取秀俊教授

東京大学と理化学研究所の研究グループは、低温環境で動作する光格子時計を開発し、2台の時計が2×10-18の精度で一致することを実証しました。これは、160億年で1秒のずれが生じることに相当し、次世代の時間標準の基盤技術となる重要な成果です。

光格子時計は、現在の「秒」を定義するセシウム原子時計の精度を1,000倍近く向上させる次世代時計として、世界中で研究されています。光格子時計の精度向上を阻む最大の困難は、原子を囲む室温の壁から放射される電磁波(黒体輻射)が、原子固有の振り子の振動数を変化させることでした。

研究グループは、低温環境でストロンチウム原子を分光して、黒体輻射を1/100に低減する光格子時計を開発しました。2台の時計を約1ヵ月間比較し、2×10-18の精度で一致することを確認しました。

この研究成果は「秒の再定義」を迫るだけでなく、従来の時計の概念を超える新しい可能性を秘めています。2台の時計の重力による相対論的な時間遅延を検出することで、土地の高低差を測る「相対論的な測地技術」への展開や、物理定数の恒常性の検証など、新たな基盤技術の創出や基礎物理学の知見をもたらすことが期待されます。

 

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