プレスリリース

プリンタブルなフレキシブル体温計の開発に成功 ~薄くて、軽く、生体組織に直接貼り付け可能~

 

JST戦略的創造研究推進事業の一環として、東京大学大学院工学系研究科の横田 知之 特任助教、染谷 隆夫 教授らの研究グループは、薄くてしなやかなプラスティック製の温度計を印刷プロセスによって作製し、生体組織に貼り付けて表面温度の分布を測定することに成功しました。

ウェアラブルデバイスによってさまざまな生体情報のセンシングが進む中、低コストで簡便なウェアラブル体温計の開発が重要性を増しています。本研究グループは、グラファイトを添加したポリマーを使って、高い感度(0.02℃)かつ速い応答速度(100ミリ秒)を有するプリンタブルなフレキシブル温度センサーの開発に成功しました。この温度センサーを使って、ダイナミックに呼吸運動をしているラットの肺の表面温度を計測し、呼吸の呼気と吸気における肺の温度差が非常に小さい(約0.1℃)ことを世界で初めて実測し、恒温動物が高精度に体温を一定に保っていることを示しました。

今回の研究で、皮膚を含む生体組織に直接貼り付けて表面温度の分布を大面積で簡単に精度よく計測する技術が実現されました。今後、赤ちゃんの体温をモニターするなどヘルスケア、医療、福祉など多方面への応用が期待されます。

本研究成果は、2015年11月9日(米国時間)に「アメリカ科学アカデミー紀要」誌オンライン速報版で公開されます。

本成果は、以下の事業・研究プロジェクトによって得られました。

 

 

 

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