プレスリリース

「衛星データビジネスのスタートアップSynspective」⽇本初*の画像取得に成功した⼩型SAR衛星"StriX-α"共同開発の成果を発表

 

株式会社Synspective(以下Synspective)と、国⽴研究開発法⼈宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)、国⽴⼤学法⼈東京⼤学⼤学院⼯学系研究科航空宇宙⼯学専攻中須賀・船瀬研究室(以下東京⼤学中須賀・船瀬研究室)、国⽴⼤学法⼈東京⼯業⼤学⼯学院廣川研究室(以下東⼯⼤廣川研究室)、慶應義塾⼤学⼤学院システムデザイン・マネジメント研究科⽩坂研究室(以下慶應義塾⼤学⽩坂研究室)は、内閣府主導による⾰新的研究開発推進プログラム「ImPACT」(以下ImPACTプログラム)の⼀つである「⼩型合成開⼝レーダー衛星システムの研究開発」の成果を応⽤した⼩型SAR衛星の初の画像取得に成功しました。⺠間の⼩型SAR衛星(100kg級)による*画像取得は⽇本初となります。
画像取得成功に際し、2021年3⽉9⽇(⽕)17:30より各機関合同記者会⾒を実施しました。

Synspectiveは、⼩型SAR衛星の開発と運⽤、そして⾼頻度観測を可能にする衛星群を構築し、その衛星から得られるデータの販売、および、それらを利⽤した政府・企業向けのソリューションを提供しています。
同社初となる実証衛星"StriX-α"は、2020年12⽉15⽇にニュージーランドのマヒア半島にある発射場からRocket Lab社のElectronロケットにより打ち上げられ、予定通りの軌道(太陽同期軌道、⾼度500km)へ投⼊されました。その後、順調に運⽤を開始し、2021年2⽉8⽇に初画像の取得に成功しました。
今後、2023年までに6機、2020年代後半には30機のコンステレーション(衛星群)構築を⽬指します。低軌道を周回する30機のコンステレーションにより、世界のどの地域で災害が発⽣しても、2時間以内に観測することが可能になります(6機では24時間以内)。

・2020年12⽉15⽇ ニュージーランドマヒア半島打上げの様⼦

setnws_202103091612341045443349_015032-1・2021年2⽉8⽇ 初画像取得 場所︓アメリカ南フロリダ

今回の成功に際しての各機関の役割
・慶應義塾⼤学⽩坂研究室は、ImPACTプログラムにおいて、⽩坂成功教授がプログラムマネジャーとして全体を統括するとともに、⼩型SAR衛星の運⽤・サービスを⾏うことを想定した総合システムの構想設計を⾏いました。その後、Synspectiveとの共同研究契約に基づき、同研究室で開発した衛星データ活⽤⼿法や多⽅⾯のネットワーク等を活⽤した研究により、多様な想定ユーザーとの調整に貢献しました。
・JAXAは、衛星搭載SAR技術について、⼩型軽量化する技術に関する基礎研究から始めた成果を実応⽤可能レベルに引き上げ、Synspectiveと協⼒して軌道上実証まで⾏うことで、⼩さく打ち上げ、⼤きく使うことを低コストで実現し、気象条件に関わらずいつでもどこでも地球観測が可能な重要技術を前進させました。衛星の試験及びその評価、衛星の⼩型化に⽋かせない⼤電⼒放射機器や⼤容量・⾼速通信装置に関する研究開発を⾏いました。また、2019年2⽉からは、JAXAが推進する⺠間事業者等を主体とする事業を出⼝とした共創型研究開発プログラム「宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」による共創活動を通じて、ImPACTプログラムの技術成果の⺠間利⽤促進や将来計画の検討に加え、SARコンステレーション技術を活⽤したソリューションの事業化検討を実施しています。
・東⼯⼤廣川研究室は、早稲⽥⼤学齋藤宏⽂客員教授とともに、同プログラムにおいて、SAR衛星に搭載する軽量ハニカム導波路構造平⾯アンテナパネル、アンテナパネル間の⾮接触電⼒伝送⽤チョークフランジ、⼩型電⼒合成器の開発を担当しました。引き続きStriXの開発では、Synspectiveとの共同研究契約に基づき、平⾯アンテナパネルの特性向上、⾼機能化に取り組んでいます。
・東京⼤学中須賀・船瀬研究室は、同プログラムにおいて、SAR衛星に特徴的な⼤出⼒電源部や姿勢制御部を含む衛星バスの開発を担当しました。StriX-αの開発においてはSynspectiveとの共同研究契約に基づき、これまで開発してきた超⼩型衛星(100㎏以下の衛星の総称)の各種技術を適⽤し、短期かつ確実な開発・運⽤に貢献し、本StriX-αは同研究室の13基⽬の衛星となります。
・出荷直前、コンテナ納⼊前の"StriX-α”

・Rocket lab社にて最終試験を⾏っている様⼦

Synspectiveは、ImPACTプログラムの成果と各機関との共創で実現したこの成功から、今後は、コンステレーションの実現を⽬指すとともに、世界のレジリエンス向上と着実な成果を積み重ねていきます。

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