プレスリリース

酸化・還元反応に伴って発現するスピン状態の変化 -電気化学反応の電圧を大きく変調する因子の発見-:化学システム工学専攻 大久保將史准教授、山田淳夫教授ら

 

電力を自在に貯蔵・供給できる二次電池は、電子の授受による酸化と還元(電気化学反応)を基礎反応とするデバイスです。東京大学大学院工学系研究科の山田淳夫教授らの研究グループは、電気化学反応が「スピン状態」を変化させる現象を新たに発見し、この現象が電気化学反応の電圧を大幅に変調することを実験・理論の両面から示しました。この発見は、これまでに知られていた電気化学反応の電圧を変調する3つの因子(拡散、伝導、電荷移動)に加えて、新しい第4の巨大因子(スピン)を提示する学術的に重要な成果です。更に、実用的な観点からも、開発が加速する二次電池を高性能化するために必要な、電気化学反応に関する基盤的知見を与えるものです。
本研究成果は、2019年3月21日付のアメリカ化学会誌Chemistry of Materials電子版に掲載されます。本研究成果の一部は、日本学術振興会科学研究費補助金特別推進研究(No. 15H05701)による支援を受けて行われました。

 

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ACS Publications:https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.chemmater.8b04775