プレスリリース

太陽電池駆動の皮膚貼付け型心電計測デバイスを開発-長期間連続動作するウェアラブルセンサーへ期待-

 

理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター創発ソフトシステム研究チームの福田憲二郎専任研究員、染谷隆夫チームリーダー(東京大学大学院工学系研究科教授)、創発機能高分子研究チームの伹馬敬介チームリーダーらの共同研究グループは、「超薄型有機太陽電池」で駆動し、心電波形を計測する「皮膚貼付け型心電計測デバイス」の開発に成功しました。
本研究成果は、生体情報の常時モニタリングなど、次世代の自立駆動型センサーデバイスの実現につながると期待できます。
今回、共同研究グループは、フレキシブルな超薄型有機太陽電池の開発に取り組みました。その結果、作製した太陽電池のエネルギー変換効率(太陽光エネルギーを電力に変換する効率)は10.5%に達し、これまでのフレキシブル有機太陽電池の世界最高効率を更新しました。また同時に、光入射角度依存性を低減することにも成功しました。これらは、「ナノグレーティング構造」を超薄型太陽電池上に形成する技術を確立したことによるものです。次に、この太陽電池を同グループで開発している皮膚貼付け型センサーと集積化することで、心電計測デバイスを外部電源なしに駆動させ、精度良く信号を取得することに成功しました。これによって、電力の消費や人体への装着時の負荷を気にせずに、連続的に生体情報を取得するための要素技術が実現しました。
本研究は、英国の科学雑誌『Nature』(9月27日号)に掲載されます。

 

 

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Nature: https://www.nature.com/articles/s41586-018-0536-x

理化学研究所:http://www.riken.jp/pr/press/2018/20180927_1/