プレスリリース

国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」の利用拡大に向けた連携協力協定の締結について

 

国立大学法人東京大学(総長:五神真、以下「東京大学」)と国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(理事長:山川宏/以下、「JAXA」)は、平成19年に締結した「連携協力の推進に係る協定」に基づき、「社会連携講座」を東京大学大学院に設置するなど組織的な人材交流や研究協力を進めてきました。
今回、同協定を傘協定として、新たに国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」を最大限活用するための具体的な連携協力協定を締結することで合意しました。

JAXAは平成28年10月に「きぼう利用戦略」を策定し、「きぼう」の我が国の研究開発基盤としての定着化及び利用成果の最大化を目指しています。同戦略に基づき、超小型衛星放出やタンパク質結晶化実験の分野でこれまで大学や民間企業との連携協力協定を締結し、持続的・効果的な「きぼう」利用成果の創出を進めてまいりました。

本協定では、「きぼう」利用成果の持続的な創出を目指し、まずは2つの連携テーマ(領域は3つ)を設定しており、さらに今後、新たな案件が出てきた場合にも内容を追加できる枠組みとなっています。
① 「きぼう」からの超小型衛星放出に関する取組み(連携テーマ1)
② 「きぼう」船外プラットフォームを利用した人工衛星搭載用センサ類の軌道上実証に向けた取組み(連携テーマ1)
③ 有人宇宙施設の遠隔操作・自動化・自律化運用に向けた取組み(連携テーマ2)


これにより、東京大学の最先端の研究、人材育成機能と、JAXAが「きぼう」を通じて培った有人宇宙技術のノウハウや知見を組み合わせ、技術革新や国際貢献を推進しようとするものです。東京大学とJAXAが双方の強みを生かして、組織的・主体的・長期的な「きぼう」利用計画の立案から実施までを実現し、「きぼう」利用の成果の最大化につなげるだけではなく、組織間連携によるユニークな成果創出が期待されます。

この連携協力の第一弾として、東京大学の中須賀・船瀬研究室で開発・実証した超小型衛星の技術をベースとして、アフリカ等の宇宙新興国の水質管理等の実利用に活用し、アフリカ地域の発展に国際貢献することを目指しており、ルワンダ政府関係機関と共同で超小型衛星を製作し、「きぼう」から放出を行う検討が進んでおります。

 

国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」の利用拡大に向けた
JAXA-東京大学の包括的連携協力の概要