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2016.06.24

【受賞・表彰等】精密工学専攻 安 琪 特任助教が、船井情報科学振興財団 研究奨励賞を受賞されました。

精密工学専攻 安 琪 特任助教が、船井情報科学振興財団 研究奨励賞を受賞されました。この賞は、情報技術,情報科学に関する研究について顕著な業績のあった者を褒賞し,わが国の情報技術,情報科学に関する研究の向上,発展に寄与した者に与えられるものです。

関連リンク:http://www.funaifoundation.jp/grantees/young_awardees_up_to_now_15.html

 

<受賞された研究・活動について>
 高齢社会において,高齢者の生活の質を改善し,日常生活動作を支援するためには,ヒトの運動メカニズムを理解する必要がある.しかしヒトの身体は冗長な自由度を持っており,同じ運動をしているように見えても,その運動はばらついている.従来研究ではヒトがこれらの冗長自由度をどのように制御して,運動を実現しているのか分かっていなかった.
これに対して本受賞研究では,ヒトの日常生活の起点となる起立動作に対して,特にヒトのばらついた運動を計測・解析する解析的手法と,順動力学シミュレーションを用いて要素から運動を再構成する構成論的手法の2つの方法論からメカニズムを解明した.解析的手法では,ばらつく運動を説明することができる要素(必要条件)を明らかにすることができるが,それが十分条件であることは確認できない.また実際に達成された運動を対象にするために,転倒のように失敗した運動は扱えず,動作を成功に導く条件は分からない.それに対して構成論的手法では,解析から得られた要素が十分条件であることを確認でき,また立つことのできない運動も扱えるため,実際に運動を成功させる条件の同定が行える.
これらの方法論から,解析的手法では,ヒトが異なる環境においても個々の筋を調整せずに,筋シナジーと呼ばれる小数のモジュールのパラメータを調整することで適応的に運動を生成することを示し,解析的手法では,計測実験から得られない,起立の達成と転倒を分ける条件を導出することができた.

<今後の抱負・感想>
このような素晴らしい賞を頂くことができて,非常に光栄です.今後の研究では,得られた知見をもとに,高齢者や片麻痺患者などにおける身体機能の低下の原因を同定し,それらを支援する技術の開発を行いたいと考えております.