プレスリリース

2020.08.31

家庭におけるパソコン退蔵の実態が明らかに:都市工学専攻 栗栖聖 准教授、三浦潤 M2(研究当時)、中谷隼 講師、森口祐一 教授ら

電気・電子機器廃棄物のリサイクルは循環型社会の構築における重要な課題のひとつです。日本では、小型家電リサイクル法(使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律)の施行に伴い、小型電気・電子機器の回収促進が政策として進められてきました。しかし、回収量は増加しておらず、使用済みとなった電気・電子機器類を廃棄せずにため込む「退蔵」行動が見られます。この退蔵の実態を明らかにすることは、適正な電気・電子機器廃棄物排出を促す施策改善に向けて重要な課題といえます。
東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻の栗栖聖准教授らは、これまで十分明らかになってきていない家庭用パソコン(PC)に着目し、その退蔵実態を明らかにしました。
市民を対象としたアンケート調査によって、家庭用PCがどれ程の期間退蔵されているのか、退蔵されている理由は何か、また排出するとしたらどのような排出先を選ぶか、といったデータを取得・分析しました。退蔵期間分布のデータに基づいて退蔵関数を推定し、家庭で退蔵されているPCのストック量および将来のストック量を推定した結果、現在小型家電リサイクル法で集められている量をはるかに上回る量が将来にわたり退蔵ストックとなることが示されました。また、退蔵期間に伴って退蔵理由には変化が見られ、5年以内の退蔵では、面倒くさい、廃棄方法やデータ消去法が分からない、等が主な退蔵理由となっていました。また、調査結果からは少なくない数の消費者が、現在のPC収集スキームを誤解している、ないしは知らないということが明らかとなりました。使用済みPCの円滑な排出を促すには、より消費者のアクセスしやすい収集法自体の改善と、収集スキームに関するより積極的な啓発活動が必要であることが明らかとなりました。



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