プレスリリース

2016.02.02

銅酸化物の超伝導はなぜ高温か?− 計算シミュレーションにより常識とは異なる、隠れていた複合粒子を発見− :物理工学専攻 今田正俊教授ら

東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻の酒井志朗助教(研究当時、現:理化学研究所(理研)創発物性科学研究センター研究員)、同専攻の今田正俊教授、フランス・パリ南大学固体物理学研究所のマルチェロ・チベリ助教授の国際共同研究グループは、銅酸化物高温超伝導体の超伝導が高温で起きる原因となる新しいメカニズムを発見しました。

 

ある種の銅の酸化物は、他の物質に比べ常圧でも非常に高い温度で超伝導を示すことが知られていますが、その仕組みは未だに解明されていません。特に、これまで数多くの理論が提案されてきましたが、それらの多くの理論に共通なのは、電子の集団の中からボソンと呼ばれるタイプの複合粒子が生じ、それが超伝導の原因になるというシナリオを描いていることです。
本研究では、電子の相互作用効果を高精度に取り扱うことのできる最新の理論に基づいて計算シミュレーションを行い、上述のシナリオでは説明のつかない電子の振る舞いを発見しました。本研究グループは、その振る舞いを詳しく調べ、電子の集団からボソンとは異なるフェルミオンと呼ばれるタイプの複合粒子が生じていれば、計算シミュレーション結果をよく説明することができる、ということを解明しました。この結果は従来の常識を覆し、高温超伝導の機構解明に新たな局面を切り開く成果と言えます。
本研究成果は、米国物理学会の速報誌「Physical Review Letters」のオンライン版(米国東部時間2月4日(木)掲載予定)に掲載されます。

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Abstract URL:http://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.116.057003

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