学部長あいさつ

学部長あいさつ

光石 衛

活力あふれる社会を実現する工学研究と教育の更なる展開

東京大学は19世紀後半に世界で最初に総合大学に工学部を設立し、それ以来、工学部は産業界、官界、学界に多くの優秀な人材を送りだしてきました。工学は、活力ある社会を実現する学問であり、これを修めた卒業生の活躍により、日本は世界でも有数の豊かな社会を実現してきました。工学には、サイエンスとテクノロジーの二つの側面があり、基礎研究から企画やデザインなどのように豊かな創造力を必要とする領域までも含みます。工学は、普遍的で体系的な知識から、社会の変化と歩調を合わせて常に進歩し続けている技術や経営・政策提言までをも網羅しており、常に発展しています。若い皆さんには現代社会の様々で困難な問題に果敢に挑み、新しい活路を見出していく気概を持っていただきたいと思います。持続的で豊かな社会を実現するために、工学という学問を深く、かつ広範に理解した上で、自在に操れるようになるところまで修めていただき、将来、産業界、官界、学界などそれぞれにおいて、社会の持続と発展のために活躍していただきたいと思います。

皆さんにはまず各専門分野の基礎をしっかりと修め、課題に真摯に取り組み、自らの専門性を深めていっていただきたいと思います。しかし一方、現代社会が抱えている課題は、エネルギーや環境の課題に見られるように複数の専門領域の課題が複雑に絡み合っていることが多いのです。それを正しく理解するためには、一つの専門領域で得た知識の活用だけではなく、複数の専門領域にまたがって物事を見究める必要があります。課題の本質を正しく捉え、如何に対処できるかが今後のイノベーションの鍵を握ることと思われます。皆さんには拠り所となる専門分野を足掛かりとして知的な基盤を広げることも念頭において日々学業に取り組んでいかれることを望みます。

また、これからの若い皆さんには、今後、世界を舞台にして活躍していくことが期待されています。東京大学工学部はこれに応える講義・実験、最先端の研究、多くの国際教育研究プログラムを用意しています。皆さんには専門力だけではなく、深い教養や倫理観を培い、自ら学ぼうとする意志と旺盛な好奇心、競争を勝ち抜く強い意志、ニーズを感じ取る鋭敏な知性と感性、課題を発見し解決する力、相互に意志の疎通を図るための高いコミュニケーション能力、他文化を相互理解できる包容力などを獲得していっていただきたいと思います。

皆さんが、活力あふれる社会を実現する工学を修め、グローバルに活躍することを期待しています。

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