「工学」それは意思を実現する体系

原子膜トランジスタに新たな機能 ―電圧印加で超伝導に― : 物理工学専攻・量子相エレクトロニクス研究センター 叶劍挺 特任講師、岩佐義宏 教授Japanese Page

2012/11/30

国立大学法人 東京大学【総長 濱田 純一】大学院 工学系研究科 量子相エレクトロニクス研究センターの叶劍挺 特任講師、岩佐義宏 教授(独立行政法人 理化学研究所【理事長 野依 良治】基幹研究所 強相関複合材料研究チーム チームリーダー兼任)率いる研究グループは同研究科物理工学専攻 有田亮太郎 准教授らと共同で、グラフェンに続く新たな原子膜材料として注目される二硫化モリブデンの電界効果トランジスタ(FET)を作製し、これが優れたトランジスタ特性を示すと同時に、電圧印加によって超伝導を発現させ、それを制御することに成功した。低消費電力化を目指したトランジスタ材料の研究は、酸化物や有機物を中心に進められているが、原子層厚みのグラフェンも有力な材料として検討されている。しかしグラフェンはバンドギャップが小さく、スイッチング特性に限界があるため、十分な大きさのバンドギャップを持つ材料の開発が求められている。研究グループは、古くから潤滑剤として非常によく知られる二硫化モリブデン(MoS2)を対象に選びFETの作成・評価を行い、ゲート絶縁体に電気二重層を使用したトランジスタを作製した。その結果、電圧の印加によって、MoS2が10K以下で超伝導になることが確認され、その転移温度を電圧によって連続的に変化させることに成功した。本研究は、超伝導の強力な制御法を提供するとともに、MoS2をはじめとする一群の物質がグラフェンに続く有力な原子膜物質となることを明らかにした。本研究成果は米国科学雑誌『Science』(11月30日号)に掲載された。

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