「工学」それは意思を実現する体系

世界最薄かつ最軽量の有機太陽電池の実現に成功:電気系工学専攻 染谷隆夫教授、関谷毅准教授Japanese Page

2012/04/04

有機半導体を用いた太陽電池は、印刷手法など液体プロセスによって高分子フィルムの上に容易に製造できるため、大面積・低コスト・軽量性を同時に実現できると期待されています。しかし、ガラス基板上と同程度の高エネルギー変換効率を有する有機太陽電池を柔軟性に富む薄膜の高分子フィルム上に液体プロセスを用いて作製することは困難であり、その解決策が求められていました。
  東京大学大学院工学系研究科の染谷教授や関谷准教授らは、有機溶剤にp型半導体とn型半導体をブレンドして溶解したインクを用いて、厚さ1.4マイクロメートルという極薄の高分子フィルムに、有機半導体薄膜を均一に形成するプロセス技術を開発し、世界で最薄かつ最軽量の有機太陽電池を高分子フィルム上に作製することに成功しました(図1)。この有機太陽電池1gあたりの発電量は10Wに相当し、この値はあらゆる太陽電池と比較しても最軽量、最薄、最柔軟な太陽電池です(図2)。また、この超薄型の有機太陽電池は、曲げ半径35ミクロンに折り曲げても、エネルギー変換効率4.2%を維持しつつ機械的にも壊れません。さらに、この薄型有機太陽電池を応用して、300%伸縮させても電気的・機械的な特性が劣化しない伸縮自在な太陽電池を実現しました。
  太陽電池の超軽量化・超薄型化に達成されたことにより、今後、太陽電池の携帯用情報通信機器への応用や、身に着けても重さを感じさせないヘルスケアや医療用デバイス用の電力供給源など新たな用途が拡大するものと期待されます。本成果は、4月4日午前0時(日本時間)にNature Communications誌のオンライン版で公開されました。

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