工学部の国際力

世界の様々な課題を工学的視点で解決し、
グローバルな世界で活躍するためには、語学力や国際感覚が不可欠だ。
東京大学工学部・大学院工学系研究科では、
キャンパスの国際化や多彩な英語教育、交換留学プログラムなど、
国際力を高めるための独自の取り組みを多数行っている。

 国際化は日本の大学にとって最重要課題だ。東京大学工学部・大学院工学系研究科でも、国際工学教育推進機構(IIIEE)が中心となり、世界のリーディング大学として不可欠な“国際力”の強化に努めている。
 その一つとして取り組んでいるのが “バイリンガル・キャンパス構想”。学部・大学院ともに英語講義を増やし、職員のバイリンガル化、国際プロジェクトの組織化および支援など、様々なアプローチで国際化を推進している。
 また、世界中からやってきた留学生への支援を拡充。現在、大学院工学系研究科には修士課程と博士課程を併せて900人弱の留学生が在籍しているが、入試や奨学金、住居などの支援をはじめ、彼らに対する日本語教育や日本文化体験、スタディーツアーを企画している。
 こうした国際力向上の取り組みは、外国人に限らず、日本人学生や若手研究者のためでもある。東京大学工学部は米国マサチューセッツ工科大学(MIT)やスウェーデン王立工科大学(KTH)など世界トップレベルの大学の工学部との交換留学を実施しているほか、修士学生のための海外武者修行プログラムなど、海外留学にチャレンジする機会も多数用意されている。
 「工学部・工学系研究科は学内で最も留学生が多く、共同研究含め多数の国際交流が行われていますが、日本人学生にはもっと世界を知ってほしいと思っています。海外に行くことで視野を広げ、世界に友だちをつくる良い機会になりますし、留学を通じて得た自信は、その後の研究生活において大きな意味を持ちます」
 そう話すのはIIIEEの浅見泰司機構長。工学部・工学系研究科では、世界が抱える社会課題の解決に向け、国際求心力の高い教育・研究環境のさらなる整備を進めていく。

工学系の主な留学プログラム

工学系の主な留学プログラム

英語教育

英語を母国語としない留学生も含めた東京大学の全学生を対象としたスペシャル・イングリッシュ・レッスン(SEL)をはじめ、工学部・工学系研究科の学生を主な対象とした科学技術英語、工学的な英語を習得するためのeラーニングシステム(SNOWBALLS)、留学生が英語論文・リポートの書き方を教えるERICなど、工学部独自の英語教育プログラムを多数実施している。

キャンパスの国際化

2017年度は大学院で243、学部で84の講義が英語で行われた。「M-Skype/K-Skype」は、東大生とMIT学生、KTH学生がSkypeで英語と日本語を学び合うプログラム。金曜日のランチタイムには、様々な国籍の学生たちが語り合う「インターナショナル・フライデー・ラウンジ(IFL)」を実施。キャンパス内には国際性豊かな教職員が多い。

内田聖菜さん 社会基盤学専攻(修士2年) ロイヤルメルボルン工科大学(RMIT)

 せっかく海外留学をするなら、ただ授業を受けるのではなく研究をしたい。そのような思いから、2016年7月から約半年間、オーストラリアのRMITに交換留学生として留学しました。
 RMITでは履修授業や研究のことなど、親身になって相談にのってくれる先生方がいたおかげで、希望通り研究主体の留学生活を送ることができました。ラッキーなことに、留学期間に開催されていた国際学会に参加することもでき、非常に勉強になりました。留学した当初はなかなか友人ができずに苦労しましたが、留学生向けイベントなどに参加し、多くの友人にも恵まれました。
 外国での一人暮らしを体験したことで、自分に自信を持つこともできました。帰国後はよくしゃべるようになったと友人にも言われます。これからは自信を持って、自分のやりたいこと、興味のあることを追求していきたいと思っています。

荻島諒也さん 機械情報工学科(学部4年) マサチューセッツ工科大学(MIT)

 以前から留学したいと思っていたのですが、留年を危惧してあと一歩を踏み出せずにいました。そんな中、単位互換ができる交換留学の募集を知り、2016年9月から4カ月間、MITに留学しました。生活費と往復航空券は奨学金をいただくことができました。
 留学中はMITの学部生向けの寮に滞在。大学では、ロボティクス、AI(人工知能)、デザイン思考など5つの授業を履修しました。これらの授業では、試験やリポートのほか、実験やプレゼン、宿題などで評価され、常に密な勉強を求められる大変さがある一方で、日本のように試験前になってあわてる必要はありませんでした。
 授業のほか、学部生用研究プログラムでMITメディアラボの研究グループにも参加しました。ちょうど留学中に米国大統領選挙があり、友人たちと政治について議論するなど、たくさんの貴重な経験ができた留学となりました。

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