トピックス

品川竜也 助教が「エヌエフ基金 第10回(2021年度) 研究開発奨励賞 優秀賞」を受賞されました

 

2021年11月26日、化学システム工学専攻 品川竜也 助教が「エヌエフ基金 第10回(2021年度) 研究開発奨励賞 優秀賞」を受賞されました。


<受賞した賞の名称と簡単な説明>
エヌエフ基金 第10回(2021年度) 研究開発奨励賞 優秀賞
同賞は、一般財団法人エヌエフ基金より革新性と独創性が高くかつ科学や技術の進歩、産業発展に貢献する研究開発活動に対して若手研究者に与えられる奨励賞です。
奨励賞受賞者の中から研究発表会において特に優秀と認められたものに、優秀賞が授与されます。

<受賞された研究・活動について>
持続可能な社会の実現に向け、我々は再生可能エネルギー由来の電力を積極的に利活用しなければなりません。その中核となる【水電解による水素製造】は、これまで腐食性の高いpH条件等において検討・開発されてきました。しかしそうした条件では、材料選択肢が限られる等の課題があり、技術の広範な実用化には至っていません。私はこれまでに中性pH濃厚緩衝水溶液を水電解用の次世代電解質として提案し、以下を達成しました。
・ 電極プロセスを、触媒化学・電気化学・溶液化学の知見に立脚して理解し、中性pH条件における水電解効率の支配因子を明らかにしました。
・ 上述の反応理解に基づいて電解質を高度に制御し、従来型の酸・塩基性pH条件に匹敵する水素生成速度を、中性近傍pHにおいて実現しました。
この成果は、中性pH水溶液を電解質とする水電解という新たな一領域を開拓し、将来的なグリーン水素の普及、さらには工業プロセスの電化を推進するものと期待されます。

<今後の抱負・感想>
これまでに構築した濃厚水溶液や電極触媒の学理に立脚して、水電解性能のさらなる向上や新たな電解システムを構築することで、カーボンニュートラルの実現に寄与する研究を展開していきたいと存じます。