東大工学部 進学選択ガイダンス - 環境

目次

環境

社会基盤学科

これからの社会基盤づくりを考える上で、いかにして環境への負荷を軽減し、地域の環境との調和を図るか、という「環境との共生」は欠かすことのできない問題であり、社会基盤学科の主要課題の一つとなっています。たとえば自然を熟知し、驚異となる自然外力を柔軟にいなすことのできる安心安全な社会の構築や、風力発電やリサイクルなどによる自然資源の有効活用技術やその手法の提案、また風景や文化と調和した美しい町づくりなど、いわゆるインフラ整備に関わるテーマに加え、豊な生態系の基盤ともなる山地、河川、海岸等の再生と創造、自然環境や自然災害に関わる合意形成とそのための経済評価、さらには国内外における水問題やエネルギー問題の解消など、多岐にわたるテーマに取り組んでいます。

 

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建築学科

「建築是乃環境」
建築とは「空間を切り取り新たな環境を創造する」とも定義でき、建築これ全てが環境に関係すると言っても過言ではない。建築学科の教育は、意匠・計画・構造・設備の技術を駆使しながら、人を生かし五感で心地良く感じる環境を形成する技術を習得することが第一義となる。

「環境共生建築」
昔は大きな建築を造り上げることは賞賛と畏怖の的であった。しかし今では大きな建築は「周辺環境を悪化させる」「地球環境を破壊する」と批判の的になりかねない。どうすれば周辺環境を守り環境への負荷を低減することができるのか、建築の構造・計画・設備の各分野で最も重要な課題として取り組まれており、授業でも多くを学ぶことになる。

 

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都市工学科

都市工学科では,1962年の学科設立以来,変わることなく,「環境」を中心課題の一つとして正面から取り組んできています。上下水道・廃棄物管理にかかわる環境関連の基盤施設に始まり,交通,住居,ヒートアイランド現象や気候変動,脱炭素社会,持続可能な開発目標(SDGs)でも,都市活動の多くは環境と密接にかかわっており,それらが互いに複雑に影響し合っています。これらの事象を無理に単純化することなく,問題の総合的な機構を認識・把握および構造化して,その科学的知見を理解したうえで都市問題・環境問題に対処することが求められています。

都市工学科では,これらの解析,課題解決法の設計,評価の理論と手法について,演習や講義を通じて系統的に身につけることができます。

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機械工学科

機械工学科では,環境に優しい社会・低炭素社会の実現をめざした基盤技術と,そのためのものづくり技術の研究開発に取り組んでいます。自動車,鉄道などの高効率化技術,居住環境における空調のためのヒートポンプや熱交換器,気流制御などの省エネルギー技術,今後世界中で不足する水資源の確保に向けたエネルギー消費の少ない水浄化技術に関連する基礎研究を進め,また,これらの技術の実現可能性を高めるためのシステムの最適化法や,ライフサイクルを通じての環境負荷・経済性評価を行っています。また,排熱,室内光や振動などのエネルギー源からも電力を回収する環境発電技術についての研究も進めています。カリキュラムについても,2年生の導入的内容から4年生のより進んだ内容まで,幅広い知識の習得が可能な講義群が用意されています。

 

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機械情報工学科

機械情報工学科では、人間の生活の支援という立場から、高度な機械技術や情報技術を礎にして、環境分野に貢献しています。特に、人の活動に応じて支援する知的なシステム・サービスのあるべき姿、構成法について、人が住まう環境・インフラストラクチャのレベルから研究を進めています。これは人々の暮らしに安心・安全・快適を提供する革新的技術であると同時に、高齢化が急速に進む日本において必要不可欠なものでもあります。本学科ではこのようなシステムの設計を可能とする人材の育成のため、機械工学・情報工学を基礎に、人間・環境と相互に絡み合い機能する知的な機械の体系的な学習が可能なカリキュラムを用意しています。

 

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航空宇宙工学科

航空輸送量は全世界的に増加の一途を辿っており、航空機はモビリティの一つの手段として日常生活には欠かせない乗り物となっています。このため、CO2排出量の削減、有害排気低減、低騒音化など、環境基準をクリアすることが当然求められます。
本学科では、空力性能の向上、構造・材料の軽量化、最適飛行制御、エンジン騒音の能動制御など、航空機の環境適合性向上に資する横断的な技術革新とその統合化を目指し研究すると共に、そのベースとなる知識・方法論を体系的に学習します。

 

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電子情報工学科

生活の場である「まち」を持続可能なものとする「スマートシティ」も、電子情報工学科のテーマの一つです。防災やヘルスケアのような安全・安心の実現、コミュニティや地域文化の創造などといったスマート化にあ たっては、情報を切り離すことができないためです。都市に埋め込まれたセンサからどのような情報を収集し、収集した情報をいかに利用して都市をどのように設計していくのかといった問題も、ビッグデータ時代の電子情報工学科のテーマです。持続可能な国づくりや街づくり、都市や社会のデザインといった社会課題解決を、ビッグデータという視点から取り組むことのできる人材を育てています。

 

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電気電子工学科

電気電子工学科では、グリーンイノベーションを活性化し、環境調和型の社会を実現するための研究を進めています。そのため、グリーンイノベーションの中心となる太陽電池、情報通信技術を駆使した賢い電力系統網 (スマートグリッド)、LEDや電気自動車など、幅広い環境技術を学べます。
本学科では、例えば変換効率40%を超える世界最先端の太陽電池の研究が進んでおり、半導体の基礎物性から作製プロセスまで系統的に学べます。また電気自動車では、心臓部である電気モータ・電力変換回路とその制御技術について学び、スマートグリッドでは、再生可能エネルギーが大量導入された際の電力系統の安定性を高めるための最先端技術を学べます。これらの研究と設計に必要な多くの基礎と専門科目を学べるのは本学科だけです。

 

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計数工学科

科学技術の基幹たる「普遍的な原理・方法論」を目指して! これが計数工学科の目指すところです。この「普遍的な原理・方法論」の研究は、個別の分野の研究と不可分の関係にあり、計数工学科では、「普遍的な原理・方法論」の研究とともに、様々な分野の研究が行われています。
「環境」分野に関するものとしては、例えば、時系列モデルや時空間統計モデルを用いた気象予測や地球統計学の研究、構造物の構造要素を効率よく配置する最適設計法の研究、環境計測技術・予測技術・制御技術の開発・研究、環境システムのモデル化の研究などがあります。学科のカリキュラムでは、講義で「普遍的な原理・方法論」の基礎を身につけ、卒業研究を通して、原理・方法論を発展させたり、実際的問題の解決に取り組みます。

 

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マテリアル工学科

21世紀の最重要課題である環境とエネルギーを念頭に置き、工学の基礎となる基盤マテリアルについて学ぶのがマテリアルB(環境・基盤マテリアル)コースです。対象とするマテリアルは、絶え間ない技術革新の続く鉄鋼材料をはじめ、金属、セラミックス、半導体、有機材料など多岐にわたり、自動車や航空機、大型構造物から燃料電池や高強度材料まで、幅広い分野で必要とされています。
マテリアル工学は、物質文明の基礎となるマテリアル全般を研究対象とした、すべての工学の基礎となる分野です。私たちは、学際的な広い視点から人間社会全般の幸福に寄与できる人材の育成を目指しています。マテリアル工学科の他の2コースと連携して、幅広い見識を養うための教育を実践し、最先端の研究を進めています。

 

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化学システム工学科

化学システム工学科では分子から地球に至る各スケールでの化学現象の解析・制御と、それら構成要素のシステム化・設計に重点を置く、化学システム工学の方法論を身につけることができます。
当学科では「環境」への取り組みとして、地球温暖化問題、砂漠化問題、ライフサイクルアセスメント、環境汚染原因物質の除去技術等、地球スケールでの問題から原子・分子レベルの問題まで多面的に取り組んでいます。それを支えているのは化学システム工学と高度な専門知識・技術です。本学科ではカリキュラムを通して化学システム工学と高度な専門知識を身につけることができ、部分と全体をバランス良く見渡すことのできる「スペシャリストでジェネラリスト」に成長することができます。

 

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システム創成学科

これまでの理科系の学問は専門分化する形で発展し、効率化の追求によって20世紀終盤の大量消費社会を実現してきましたが、その専門分化と効率化は、環境問題などを引き起こす原因ともなっています。環境問題を解決して、持続可能な社会システムを実現するためには、多様な基礎技術を総合してシステムとして考えるためのマインドの養成と、基礎は同じであってもそれらの技術の使い方を工夫する発想の転換が必要です。
システム創成学科では、先ず環境・エネルギー領域の幅広い知識を修得し、その後、学生が興味を持った専門分野を深く学ぶ方式を採用し、課題の解決のために、要素技術開発だけではなくトータルなシステムを設計し、さらには環境経済や環境リスク評価をふまえて政策策定ができる人材を育成します。

 

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